エアグルーヴの強さを認識したのは、マーメイドSでした。
秋華賞の骨折から戦列に復帰する緒戦。当時はシングライクトークから馬券を買っていたと記憶しています。というより骨折休養明けというハンデ、そしてなにより、当時自分が目撃したエアグルーヴは秋華賞を惨敗した姿しかなく。結果、軽視という判断につながっていました。
映像を観るならDVDしかないでしょうか。稍重の馬場をパワフルに差し切り。それもシングライクトークと馬体を合わせた後ゴール前でグンとひと伸びする完勝劇。フィジカルの差が許すその光景に、一瞬気持ちの置き所をなくした感覚がありました。強いという事実を落ち着いて見届けるにはまだ経験が足りない時期でしたね。
札幌記念でのジェニュインとの手応えの差は天皇賞(秋)で本命視する大きな手掛かりになりました。当時から出ていたはずの、伊藤雄二調教師の盾を狙っている的コメントにあてられたのもあるかもですね。天真爛漫さの勝っていた頃のサイレンススズカが誘導した、あの府中の直線は本当に熱かった。
三宅アナの実況。印象深いのはゴール前の「バブルか!エアか!バブルか!エアか!」のフレーズではなく、その前。「エアグルーヴが来たー!」というシンプルなひと言。の声の張り方。
札幌記念からのローテーション、牝馬による天皇賞制覇。常識にかからない挑戦と結果を訝しく思う声は少なくありませんでした。本当に来た。バブルガムフェローへ外から挑みかかる姿にファンが視線を奪われるタイミングを、実況はしっかり押さえていました。いまでも震える瞬間です。三宅アナ、おそらく単勝をもっていたんでしょうねw
ふう、ようやく落ち着いて言葉を綴ることができます。
週中の一報を受けてからは、時間の合間をぬって様々な語り口を目にしていました。功績なり血統なりという切り口での総括は、以下の秀逸な内容にお任せしたいと思います。勝手紹介で恐縮ですが。
【競馬】常識を覆した「女帝」。 永遠に受け継がれるエアグルーヴの魂
エアグルーヴ死す – 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
追悼~エアグルーヴ | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所
また、こちらは非常にソフトに綴られたエアグルーヴ回顧。勝手紹介ですみませんが。
カラリとした名花: まったり血統派の茶飲み話
また先ほどまで、ずいぶん前に購入していたDVDを観ていました。いろいろ気づきますねー。
ふるさと案内所の記事にカメラマン泣かせというエピソードがありましたが、クラシックに向かう頃の映像でも、カメラの前を横切りながらガン見する姿が確認できました。そうとう「気にしい」ですね。でもこんな意思のはっきりした目だったなぁとも感慨深く。
デビュー戦と2戦目は1200mを選んでいます。追っ付けながらの追走。いまなら少なくともマイル以上の距離を選ぶ素質と思うのですが、これは当時の桜花賞に向けたトレーナーの戦略なのだろうと想像が及びました。改修前の阪神は小回りで前々が残りやすい傾向にありましたからね。スタートから無理なく好位から中団にポジショニングできるセンスは、この使い出しの妙があるものと理解しております。
あー、ミーハーな視点でいえば阪神3歳牝馬Sとチューリップ賞。ビワハイジ×エアグルーヴという2度の対戦は、今から遡ると非常に豪華。どちらも繁殖牝馬として素晴らしい産駒を送り出していますからね。
調教師のコメントからも、常に一生懸命走りきるタイプだったことが伺えます。戦歴に安定感があるのはそうしたメンタリティも影響しているのでしょう。そのひたむきさからでしょうか、成績が奮わなくてもへんに悲壮感が漂うようなことはなかったように思います。
女帝というニックネームはありますが、自分の見立ては当時と変わらず頑張り屋さん。女帝に対する睥睨感が必要ならまだダイワスカーレットの方がしっくりきます。女傑も違和感がありますねー。ちょっと上の世代だとヒシアマゾンの枕詞ですしね。あー、どっちが強いかと聞かれて困った覚えがありますw
今年20歳の出産を最後に繁殖牝馬としての勤めを終える予定だった、という報道も目にしました。最後まで頑張ってくれたという理解でよいのでしょうね。キングカメハメハの遺児はルーラーシップの全弟になります。一方で先に挙げたビワハイジも娘ブエナビスタが同じくキングカメハメハの仔を受胎しました。大きく俯瞰するなら、血の連鎖はまだまだ楽しみをつないでくれそうです。
むやみに思い入れがある分、まとまりのない文面になったでしょうか。
何かしら書き散らしておかないと春天の予想に入れないテンションでもありましてw
なにとぞご容赦ください。
競馬を始めた頃に好きになった牝馬でした。
長い活躍、お疲れさまでした。どうぞ安らかに。
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