インタビュアー

netkeiba.comに「激白 ~G1勝利のヒント」と題した
インタビュー記事が掲載されています。

インタビュアーは島田明宏さん。

島田さんの記事を初めて認識したのは、Numberだったと記憶していますが
「武豊の瞬間」以降、稀代の騎手に関するその記述は
とても楽しみに拝見しました。

ここのところ自分なりに言葉がまとまってきまして、
島田さんの記事の特徴から少し、思い当ったことを書いておこうと思います。



競馬評論という切り口でマスメディアに登場する方は
もともとトレセンで働いていた関係者の方、ないしは
予想や著述を生業にされている方が多いと思われます。
島田さんも著述業の肩書で活動されていますし。

登場の際には「競馬予想家」「コラムニスト」「ホースコラボレーター」など
様々な肩書が使われていますが(最後のは特定の方になりますけどw)
ここに「インタビュアー」という定義が欲しいなー、と思い始めています。




関係者の声を、ファンに伝えるための言葉として引き出すスキルは
非常に難しいバランスが要求されます。

重要なのは、質問の切り口とその際の言葉の選び方、
これが読み手ないし聞き手に充足感を与える回答を
引き出せる体裁を整えているか。

例えば、あまりに相手任せに投げ出す質問は、
答える側に裁量がありすぎるため、無難な言葉、ないしは
とりとめがなくなるかのどちらに陥ってしまいがちです。

一方で、聞きたい結論ありきでなされる質問には
うなずく程度で回答が済んでしまい、ふくらみのある答えが
かえってこない場合が容易に起こります。
(追い切り後のインタビューはこのパターンが非常に多くて残念)

トレセン関係者がインタビュアーというケースも一定の効果を生んでいますね。
同僚や先輩後輩の関係性ありきでぶっちゃけたラフな言葉を引き出す。
その場合は、触れられたくないことに自然と配慮する空気が
掛け合いから深みを削いでしまうことがあり得ます。
プロ野球OBの取材にがっかりする場面、という例えでよいでしょうか。

また、勝負の一環として明かせない手の内、というものもあるでしょう。
それがG1直後の、ジョッキーへのインタビューの定型化を助けているとも推測されます。
関係者に感謝します、的なアレですね。



これらの事情を踏まえたうえでなお、秀逸な切り口を持って質問をするには
ケイバに関する深い造詣と配慮、取材者への一定のリスペクト、
状況に対する懐疑と、読者(テレビだと視聴者)のニーズ、
これらのバランスを取りながら、目の前の取材対象に相対し
その都度の言葉に即応する反射神経を持ち合わせている必要がありそうです。

個人的には、こうした難しさを潜り抜けた質問には
十分な真摯さをもった応答がかえってくると感じています。



野暮な詮索などではなく、ファンの関心の充実を助けるような言葉が
適度な体裁と熱を持ってこちらまで届いてくれると
理解も深まりますし、思い入れ方も変わりますよね。

知りたいという声の、そのレベル感に
インタビューという手続きを通して適切に応えるというのは
プロとしてのサービスたりうるものと理解しています。



…なにか前提のような議論をしましたが
現在、この「インタビュアー」として秀逸な存在が
島田さんではないかなー、と思っているところです。



その引き出す力は、著作のための取材の中で磨かれたものと
推察しますが、その切り口、そして引き出された言葉を
再構成して事実をあぶりだすレポーティングは
現在トレセン関係者以外では最も信頼できるものと受け取っています。

著作でいえば、例えば前田長吉騎手の一冊など
インタビュアーという視点ではとても上質な作品と思います。



netkeiba.comの中に、この引き出す力を
見出した方がいらっしゃるのかな。
G1直後の関係者コメントからレース回顧する記事を
書かれていたこともありました。

特にウオッカの天皇賞の記事は、関係各位のコメントという「点」を
島田さんの観察力と構成を加えることで
検量室の空気感という「線」に昇華した、
すばらしいレポートだったと記憶しています。
一生続けてくれないかなと身勝手な期待をしていましたね。



冒頭の「激白」。
今週、JCに合わせて角居調教師へのインタビュー記事です。

はい、やばいですw
記事に「いいね!」ボタンがないのが惜しまれるくらいw
おすすめです。

一部無料で読めますが、有料配信なので
詳細は割愛させていただきます。
自分はモバイルで拝見しました(こちらも有料です)。

…なんか宣伝みたいでアレですが
もちろん利害関係はありませんし
はりきっておすすめしたい内容でしたので。



あー、島田さんの記事について一応書いておきますと
たまにおや、と思うこともあるんですよね。

自分が引いた視点を好んでいることもあるのですが
読者に思い入れに委ねたほうがよいような件で
先に端的な感情が吐露されるところがあったり。

ご本人の思い入れの強いテーマと察しがつくこともありますし
その熱が支持にもつながっていますので
全く揶揄するものではないのですけどね。
先に好きって言われちゃった感、とでも申しましょうかw
ちょっと気になる瞬間もございます。はい。


そのうち、どれか書かれた本を取り上げて
感想をまとめてもよいかなー。
と思いつついろいろ書かずにスルーしていますね。

時間はつくるものだ!でも1日は24時間だ!
…折をみて書きたいと思いますw





最後に。

もう一人、秀逸なインタビュアーとして
フジの福原アナを推して、締めたいと思います。

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